男子大学生のありとあらゆる日常

俺の人生こんなもんか?

ビスケット貯金で出来るようになったこと

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俺が久しぶりにお袋に連絡したら、
親父は元気でいるようで、声もはきはきしたものだった。
他愛もない話やこっちの状況…いわゆる臨時報告みたいなのを話していた。
離れての家族のありがたさ、
今頃になってわかるようになったのはきっと松木奈々子のおかげだと思う。


なぜか、お袋とも親父とも喧嘩腰で話すこともなく、
穏やかに会話できていた。

お袋は俺のハードなアルバイトをまだしていると思っていたようで、
体のことを心配していた。

だから「大丈夫、一個辞めたんだ」という旨を伝えた。
それでどうにかなるのか?生活は大丈夫か?
大学はちゃんと行けてるのか?サークルのバレーは続けているのか。
などなど質問攻め。(笑)
おれとしてはくすぐったい気分だったり、
少しうざい気分になったりうんざりしつつも一つ一つ答えていった。


生活には余裕ができたんだということ。
松木奈々子という人に出会ったおかげでお金の心配がいらなくなったということ。
一個バイトを辞めたおかげで大学にもちゃんと出席出来て、
あまり代弁を頼むこともなくなったこと、
バレーサークルも顔出せるようになったこと。

そうしたら、松木奈々子の話にお袋は飛びついてきて、
「彼女?じゃないのよね?」なんて言ってきて思わずお茶を喉に詰まらせてしまった。
げほごほいってたら、「どうなの?」というので「違う」と答えた。


松木奈々子は師匠みたいな人だと。ゆっくり説明した。
ビスケット貯金の話もしたら、納得いったのかどうなのか追及は収まったが、
俺がさきに「だから金に余裕ができたから、お袋たちのほうにも少しだけど金を渡すよ。
今までの分、ありがとう。ってことで受け取ってくれると嬉しい。
だから通帳記入したいから教えてもらえないか?」
と言ったら、お袋が急に泣き出した。


「貧乏でごめんね。気を使わせちゃってごめんね。」
そう何度も謝ってきたから、
謝る必要はないだろ。と思って言った。


「俺は貧乏だからってお袋や親父たちを恨んだりしてないし、
謝ってほしくない。むしろここまで育ててくれたんだ。
大学だってわがまま言ったのに応援してくれた。
問題があったのは金の問題だけで、喧嘩の内容だってそれだけだろ?
だったら、俺だって、いままで自分勝手でごめん。
頼りっぱなしでごめん。ってなっちまうじゃん。
だから素直に受け取ってくれよ。ありがとうって言ってくれよ。
そのほうが何倍もうれしいから」


そう言ったら余計泣かせてしまった。
でもありがとうの言葉が増えたから良しとしよう。


こうやって親孝行できるのは(自分で言うのもなんだが)、
松木奈々子に出会えたからだ。
そう思ったら、いてもたってもいられずに、電話を切って、
ビスケット貯金してから有言実行。
親の口座に入れに行こうとパソコンを開いた。

次の松木奈々子と話すときにこの話をしようと思う。
きっと喜んでくれるんじゃないだろうか。そう、期待して。